公演当日の5/27は、午後1時より真飛聖&桜乃彩音さん主演の本公演が行われ、新人公演は午後6時からの開演でした。
午後4時過ぎに、大阪梅田より阪急電車の宝塚線に乗車。急行電車でおよそ35分間かかります。乗客の方のなかには、いつしかの公演記念のバッグを携帯している方が、ちらほらと。おそらく、この方たちも観劇に行かれるのでしょう。
終点の宝塚駅に到着したのち、軽い食事をしようと知人と共に駅の近くの某店へ。店内には、本公演を観劇した方たちでいっぱいでした。なぜ分かったというと、多くの方たちは、おみやげの袋を携えており、仲間同士でプログラムのパンフレットを開いて見入っていたからです。想像するに、観劇後の余韻に浸っているといった感じでしょうか。
『愛と死のアラビア』は、19世紀初頭のエジプトを舞台とした物語。主人公のトマス・キースは、実在したスコットランド出身の大英帝国兵士をモデルとしているそうです。1807年、戦場で敵に捕らえられ捕虜の身となったものの、その高度な狙撃技術から「ハヤブサの眼を持つ男」として尊敬を集め(ゴルゴ13みたく、狙撃の天才なのです)、こともあろうか敵軍の軍事技術の指導を命ぜられ、しかし、そのミッションに逆らう訳にもいかず従い、成果を上げる事によって益々評価・重用され、アラブの兵士たちとの間に信頼や友情が生まれ、オスマン・トルコ帝国の支配からエジプトを独立させたいとする、エジプト太守(日本で言うと大名みたいなものですよね)のこころざしに共鳴していく・・・・お話です。
時代背景をさらっとチェックしてみました。
1798年にナポレオン率いるフランス軍がエジプトへ侵攻しています。しかしながら、イギリス軍との戦い敗れて1801年に撤退するハメとなりました。この当時、イギリスとフランスとは険悪な関係、完全な敵対関係にありました。また1807年は、ヨーロッパ大陸をほぼ掌中に収め絶頂期を迎えていた、ナポレン皇帝(フランス)が、滅亡へと向かっていく年でもありました。
オスマン・トルコ帝国(オスマン帝国)は、イスタンブールを首都とする大帝国で、オスマンとは建国した王の名です。(1299年建国・1922年滅亡)が定説となっています。オスマン帝国は、エジプトを属州として支配下に置いていましたが、前述のナポレオンのエジプト遠征を契機に、その支配力が低下し、エジプト太守のムハマンド・アリが実権を掌握するようになっていきます。『愛と死のアラビア』の劇中において重要な要素のひとつである「エジプト独立の志」は、ムハマンド・アリの手によって1830年にかない、帝国からの独立を勝ち取っています。
複雑な政治情勢だったのですね。つまり『愛と死のアラビア』の時代には、
エジプトの覇権争いが激化しており、
・オスマン帝国の派閥
・ムハマンド・アリの派閥
・イギリス
・フランス
などが、入り乱れて覇権を争っていたのです。
『愛と死のアラビア』は、男のドラマだと思います。主人公トマス・キースと、アラビア隊商の娘アノウドとのラブロマンスもありますが、劇中を大きく占めるのは、男たちの「戦い・信頼・友情」を巡る生と死のエピソードです。ですので、娘役の出番が少ないのがこの劇の特色のひとつかな、と思いました。ですので、男役のひとたちが舞台上を占めるシーンが多かったのですが、幕と幕との間に、娘役が勢ぞろいしてダンスを披露するシーン(ベリーダンスの要素を感じました)を、数多く挿入してありました。演出的にバランスを取っているのでしょうね。
(メインキャスト)
トマス・キース(朝夏まなとさん)
アノウド(白華れみさん)
イブラハム:ムハンマド長男(望海風斗さん)
トゥスン :ムハンマド次男(嶺乃一真さん)
ムハンマド・アリ:エジプト太守(扇めぐむさん)
私たちの席は2階13列。舞台から遠かったです。顔の表情が分かりにくかったのが少々残念でした。これには、頭にベールを被っている衣装が多かった事も関係していたのかもしれません。
朝夏まなとさんは、清廉で堂々として見えました。スタミナ切れも無く
最後までテンションを維持して演じていたように思えます。
白華れみさんは、運命を男たちにゆだねる事しか出来なかった、女性の哀しさ
を可憐に演じていました。白華さんは、今年の1月に月組みから組替え後、
はじめての朝夏さんとのデュエットだったのですね。
望海風斗さんは、父の教えを忠実に守りサポートしなければならい
長男の立場を、抑制の効いた演技で表していたと思います。
嶺乃一真さんは、自由奔放で正義感が強く、少し甘くてやんちゃな次男坊を、
軽やかに闊達に演じていました。
扇めぐむさんは、思慮深く威厳ある太守を重量感のある演技を心掛けて、
効果的に表現していたと感じました。
ムハンマド・アリの娘ナイリ(天宮菜生さん)は、最も毒がある役割で、
もう少し出演場面を多くしても、面白かったのでは、と感じました。
また個人的には、男役のひとたちで「われら ベドウィン 砂漠のオオカミ
劇後に行われた全員整列しての挨拶も含めて、初々しかったです。私は、本公演は観ていないのですが、皆さん、試行錯誤しながら演じているのだろうなと感じました。あいさつは2回。扇めぐむさん・朝夏まなとさんのコメントが聴けました。それによると、東京でも新人公演では、研1の方の出演が予定されているそうです。



