・宝塚歌劇団が「キャッツ」を公演。
リメイクとも言えるこの行為・・・・微妙?
「ベルばら」は、現代の宝塚歌劇団のシンボル的なプログラム。
「キャッツ」は、無論、劇団四季のお家芸。
微妙どころか、「きゃー、やめて!」て感じ??
【宮廷女官チャングムの誓い(大長今)】が映画化されるそうです。
(げっ。いきりなりチャングムかよ!
このドラマは、54話(しかも1話あたり、オリジナル版では1時間くらいあります。)の超大作です。その長〜い物語を、たった2時間程度の映像に収めようとしたら、総集編(ダイジェスト)みたいになってしまうのは必至ですよね。ダイジェスト版にする場合には、その原作が持つ世界観やエッセンスを、どれだけ濃厚かつ芳醇に表現出来るかが、ポイントになってくると思います。それと、元々のその作品のファンの方たちを納得・満足させる事も課題と言えば課題。
(これは、宝塚歌劇にも当てはまる部分があるかと思います。)
そもそもキャストが大問題ですよね。主役だけを考えてみても、
「冬のソナタ」のジュンサン役は、ペ・ヨンジュンさんしか有り得ない!
「のだめカンタービレ」の野田恵役は、上野樹里さんがドンピシャだった!
「女王の教室」の阿久津真矢役が、 天海祐希さんと一体化していた!
・・・・ように、チャングム役は、
イ・ヨンエ(李英愛)さんしか、しっくりこないと思います。
中国人の監督さんが企画していて、マーケットはアジア全域なのでしょう。
でも、チャングム=イ・ヨンエさんですよ。少なくとも日本では。
では、イ・ヨンエさんは、もしかオファーがあった場合、チャングム役を引き受けるのでしょうか。私は、引き受けないのではないかなあ、と思います。なぜなら、イ・ヨンエさん側としては、これ以上「チャングム=イ・ヨンエ」のパブリックイメージを浸透させたくないと考えていると思えるからです。どんな作品・どんな役柄を演じても、観る人側に「あのチャングムの・・・」という冠頭詞が付いてしまいますから。チャングムが、新しい役の邪魔をしかねないのです。俳優が「当たり役」を得て、多くの人たちから愛されるのは、幸運で素晴らしい事でしょうが、その一方、それ以外の表現活動を、自由に選択して行いにくくなると思うのです。
イ・ヨンエさんは【チャングムの誓い】の終了後、【親切なクムジャさん】という映画で、「未婚の母で囚人で銃もぶっぱなす、したたかでクールな復讐人」を演じています。復讐というテーマは【チャングムの誓い】と合い通じる部分が無きにしも非ずですが、テイストは全く異質のものです。
【親切なクムジャさん】は、私的には、極めて実験的かつサイケデリックな映画だと感じました。面白かったです。国際的には、ヴェネチア国際映画祭特別賞を受賞するなど、芸術的な評価は得ていますが、チャングムで涙した方たちには、ちょっと付いていけないと言いましょうか。キツいかもしれません。
イ・ヨンエさんは、チャングムを演じて芝居に欲が出てきたと語っています。それで【親切なクムジャさん】にチャレンジしてみたようですが、表現の幅を広げると共に、イメージチェンジを図りたかったのではないかと推察します。
でも「純情可憐で聡明で、心が美しく正義感が強くて誠実で、実行力と忍耐力が抜群の、正直者でちょっぴりおっちょこちょいの可愛いチャングム」で、イ・ヨンエさんを好きになった方たちの多くは、彼女が、この映画のようなエキセントリックな役を演じる事を望んでいないのではないか・・・と思えるのです。
【親切なクムジャさん】は、2005年に公開されていますが、その後、イ・ヨンエさんは、ドラマにも映画にも一切出演していません。チャングムによって、一躍アジア圏の大スターに上り詰めた彼女としては、次の出演作を熟考しているのかもしれませんが、「チャングム」のパブリックイメージから逃れられず、悩んでいるのではないかなあ。
現に、2007年の夏に東京ドームで行われた【チャングムの誓い】のイベントには、なんと、イ・ヨンエさん他の出演者たちを一目見たさに、数万人ものファンの方たちが集結しました。おそらく6万人近い方たちが集まったと思われます。ドラマが初めて放映されて以来、既に数年も経過しているのに、いまだに冷めぬこの大人気。それも極東・日本で。
まあ、韓国本国では、そこまでの熱気はもうないでしょうし、若手女優に押されているとの話もあるようですが(イ・ヨンエさんは今年で確か37歳)、「大長今」のテーマパークは今でも健在ですし、「チャングム=イ・ヨンエ」の残像が強烈に残っていて、彼女の新しい展開を阻害しているのではないかと想像します。加えて考えるに、彼女の内面においても苦悩や葛藤があるのでは。
【チャングムの誓い】の映画化(一種のリメイクですよね)の件。
企画している中国の映画監督さん(チャン・イーモウ氏)は、ヒットメーカーで、日本では、たとえば「HERO」「LOVERS」 などが有名です。そもそもチャン・イーモウ氏は、ドラマのチャングム・ファンで、それが映画化を企画する大きな動機となったそうです。【チャングムの誓い】の物語や精神性・世界観などに感銘・共鳴し、「映画にしてみたい!」と考えたのでしょう。しかし、何度も書いておりますように、おそらくドラマのオリジナルキャストではなく、まったく新たな俳優さんたちを配役して映画を製作するのではないかと予測します。とすると、今までドラマに感動し支持していたファンの方たちが、果たして観たいと思うのか、大いに疑問です。
54話×1時間=54時間のドラマですよ!
それを観続けていたら、頭の中で役と俳優とが一体化してしまっていますよ。
「チャングム=イ・ヨンエ」のみならず、他の役・俳優においても。
また、話をまとめたような「ダイジェスト版」的な作品になるのであれば、作品のクオリティにおいても苦戦しそうな気がします。それとも、ハリポタみたく、連作シリーズものにする可能性もありますねえ。
それとも、大胆に新たなエピソードを創るのかも。
この記事の冒頭に、
劇団四季が「ベルばら」を公演/宝塚歌劇団が「キャッツ」を公演
・・・・そんなリメイク、有り得ないでしょう? と書きました。
チャングム映画化の話と、合い通じる部分があるのではないかと。
そこでですが。
期待しつつ・・・微妙で複雑な感情が湧いてくるのが、
2009年1月1日から宝塚大劇場で公演予定の、花組【太王四神記】です。ファンの新規開拓や、本格的なアジア進出が目論見の根底に見え隠れしているように思える訳ですが。現在においては、圧倒的にヨン様のイメージが強いですよねえ。それと、ダイジェスト的な物語構成にならざるを得ないでしょうね。
宝塚歌劇は、これまでにもオリジナル作品の他に、ブロードウエーの舞台を下敷きにした作品など、「リメイクもの」と言えなくもない作品を多数上演してきました。ただし単なるリメイクではなく、宝塚歌劇のオリジナルカラーで「染め上げる」事によって、新たな魅力的な作品へ昇華させてきました。(まあ、色々とありますが、期待しつつ以下省略。)
ちなみに「壮大な歴史モノ」をやるのなら、古代日本のファンタジー、
山岸涼子さんの「日出処の天子」あたり、面白いのではないでしょうか。
まだ宝塚歌劇では舞台化されていませんよね?たしか。
【日出処の天子】は、厩戸王子(聖徳太子)を中心に据えた物語です。
少女漫画の歴史に燦然と輝く傑作との誉れ高い作品です。
1980年代前半に雑誌に連載されました。



