2008年07月08日

男版宝塚なるもの

劇団「スタジオライフ」は、「男版宝塚」とも形容されるそうです。現在40名くらいいる劇団員の全員が男性です。そして座付きの脚本・演出の方が女性となっています。
1985年に結成された当初は、女性も在籍していたのですが、
1988年公演【White】から、全員男性となりました。

男優が「女性を演じる」ところや、少女漫画などを題材にした舞台を多く上演
しているところが、「男版宝塚」と言われるゆえんのようです。

男優さんが、女性のメイクや格好して女性を演じます。
声については、そのまま地声です。つまり、歌舞伎のように女性ぽい声色は使わないという事です。ただし「男役・女役」といった役割分担は無いそうです。これは宝塚歌劇との大きな相違点ですね。



劇団員の方たちは、あまりよく知らないのですが、
私が思い浮かべる事が出来るのは、姜暢雄さんです。

劇団「スタジオライフ」を語る時のキーワードに「耽美」があります。
専属脚本演出家の倉田淳さんによるオリジナル作品もありますが、ここでは、過去に上演された作品から、特にコミック(漫画)を原作とする作品を中心に恣意的にピックアップしてみますと。

1991年【YASYA GA POND】(原作:泉鏡花)
1996年【トーマの心臓】(原作:萩尾望都)
1997年【ヴェニスに死す】(原作:トーマス・マン)
1999年【桜の園】(原作:アントン・チェーホフ)
2003年【OZ】(原作:樹なつみ)
2004年【MOON CHILD〜月の子〜】(原作:清水玲子)
2005年【メッシュ】(原作:萩尾望都)
2005年【白夜行】(原作:東野圭吾)
2006年【DRACULA】(原作:ブラム・ストーカー)
2007年【Romeo & Juliet】(原作:ウィリアム・シェイクスピア)
2007年【アドルフに告ぐ】(原作:手塚治虫)
2008年【夏の夜の夢】(原作:ウィリアム・シェイクスピア)

※コミック原作

上記原作を見ると、題材自体が、耽美的・倒錯的ですね。
それを男性のみで演じるから、ますます耽美的になるのでしょう。
 
特に、萩尾望都さんの作品とは縁が深く相性も良いようです。【トーマの心臓】は、アナザーストーリーを含めて、これまで何度も公演されています。宝塚歌劇団にとっての【ベルサイユのばら】みたいな存在なのかもしれません。

最新作は、萩尾望都さん原作の【マージナル】です。
(8/28〜9/6 東京新宿・紀伊国屋ホール)

それから。劇団員の方の数名が、2008年7月20日放送予定の
NHK『サラリーマンNEO』に出演するそうです。

2008年05月08日

くいだおれ太郎がミュージカル出演

舞台・ドラマ・映画・歌などなど、エンタメもしくはアーティスティック表現行為全般に言えることですが、そのパフォーマーが、どれだけレッスン・トレーニング・努力を積んだかと言う事や、どんな人生経験をしてきたかと言う事と、その作品(表現行為)の評価の高低とは、直接的には関係が無く単純には比例しません。

しかしながら、それでも、たとえばミュージカル・・・宝塚歌劇にしてもそうなのですが、その舞台裏・パフォーマーのバックホーンをあらかじめ知り感銘を受けた場合は、是非その舞台を観てみたいと感じたり、また多角的・重層的な味わい深い観劇を楽しめるのではないかと思います。

先日、当ブログでも書いたブロードウエイ・ミュージカル「TRIP OF LOVE」に関する話題ですが、「TRIP OF LOVE」のトライアウト作品に関するテレビのドキュメンタリー番組を観た知人が、それまで別段関心が無かったこのミュージカルを、観劇したくなったそうです。

情熱は舞台裏からも伝わってくる・・・のです。

ところで、このミュージカル「TRIP OF LOVE」の大阪公演を、「道頓堀のくいだおれ」のシンボル・キャラクターである『くいだおれ人形(くいだおれ太郎)』が観劇しました。しかも、第2幕の冒頭で舞台に飛び入り参加するといったサプライズもあったそうです。外国のダンサーとコラボ。「トコトコと太鼓を叩いた」との事。お客さんは大喜びだったそうです。その模様の画像を見てみましたが、なんとも妙な不思議な雰囲気を醸し出していました。

※昔は、京都の「着倒れ」(着物の事です)に対して、大阪の「食い倒れ」(美味しい食べ物が豊富)と称されました。大阪道頓堀の「くいだおれ」は、数階建てビルの大きな料理店です。私も一度このお店で食事をした事があります。惜しくも近日閉店が予定されています。シンボル的な存在の「くいだおれ太郎」は、いつもお店の前に立ち、往来する人たちを楽しませてくれていました。サーカスのピエロを想起させるレトロな格好をしています。ロイド眼鏡に小太鼓がトレードマークです。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080507-00000974-san-ent
くいだおれ太郎、ミュージカル“飛び入り”出演 外国人ダンサーらに囲まれ得意の太鼓披露
2008.5月7日23時6分配信 産経新聞

 

2008年05月01日

プチ宝塚三昧(at Quatre Reves)

10代の頃には、芸能人・タレントのポスターを部屋に貼ったり、アイテム・グッズを集めたりしたものです。でも、いつからか、そういったコレクション系の趣味が無くなっていきました。たとえば雑誌の切り抜き写真などを集めて、お手製の写真集を作ったりして、これはなかなか愉しい密かな楽しみだったけど、だんだん面倒になってきたのかな。インターネットの影響も大きいかもしれません。

ところで私の地元の京都は修学旅行のメッカで、新京極通りをはじめとして、あちらこちらに、そういった少年少女を対象にしたお土産屋さんがあり、彼らに人気がありそうな、旬のアイドル・タレントのグッズが多数売られています。そんなのよりも、もっと京都らしいお土産を買えば良いのに・・・と思ったりします。でも、なんだか、とっても分かる様な気もします。

そんな訳で、日頃滅多に芸能人・タレント系のアイテム・グッズのショップには行かないの私ですが、先日、宝塚歌劇団系のアイテム・グッズが販売されているキャトルレーヴ(Quatre Reves)というお店へ行ってきました。多くのファンの方たちがご存知の事かと思いますが、宝塚歌劇団の直営のショップです。オンラインショップの他に、宝塚と東京の両劇場をはじめ、東京・名古屋・大阪・福岡に実店舗を構えています。Quatre Revesとはフランス語で「4つの夢」という意味になります。当初、おそらく4つの組を表していたのでしょうね。後日、宙組が新設されたけど。

私が行ったのは、大阪・梅田の「阪急村」(一般的な呼称ではなく、私の印象です。)のど真ん中に建つ阪急グランドビルに入っている梅田店でした。このビルが32階建てなのにちなんで、上階の飲食店フロアなどを「32番街」と命名しています。キャトルレーヴがあるのは29階です。ちなみに阪急は、地下街に「3番街」、某ビルに「17番街」といった具合に「番街」と命名するのが好きなようです。温かみのある街の雰囲気を演出したいのでしょうね。

わりと広い店内でした。書籍・雑誌・DVD・ポスターなどなど置いてあります。エリザベートのコンプリートDVD(過去の各組公演のセットです)は、欲しいなと思いました。それからなんといっても白眉!素敵!なのは、膨大なジェンヌのブロマイドが置かれている事。映像時代の現代において、レトロなアイテムとでも言いましょうか、それがまた趣があって良いのです。見て回るだけでも楽しいですね。

29階は飲食店ばかりのフロアで(たとえば「鶴橋風月」という、美味しいお好み焼き屋さんがあります。)、キャトルレーヴはある意味「異色の存在」なのですが、ちょっと別世界に感じました。もちろんファンタスティックな意味で。プチ宝塚三昧。

で。こんなバッグを。
takaraduka bag

2008年04月29日

鳥居かほりさんの挑戦

先日(26日)の記事で、大阪・道頓堀のくいだおれ人形(くいだおれ太郎)が、
ブロードウエイのミュージカル「TRIP OF LOVE」を、来月に観劇すると書きました。
(註:くいだおれ太郎は、人間並みの大きさはありますし、それに楽器も演奏する「優れもの」なのですが、なにぶん人形ですので、当然、自分では動けません。て言うか、これはお店側のジョークと言うか宣伝と言うのか・・・以下省略。笑)

ところで実は、今般の「TRIP OF LOVE」の大阪公演は「トライアウト」という、ブロードウエイの舞台にかける前に、オーディエンスの反応を伺うための公演なのです。もちろん通常は、アメリカの都市で公演されるのですが、今回初めての試みとして、日本で開催される事となりました。これは、ある日本人のプロデューサーが企画したもので、日本のミュージカル俳優・ダンサーたちにも、ブロードウエイ進出の機会・飛躍のきっかけを作りたい、との目論見によるものです。

そして、27日の夜にNHKの、このミュージカルに関するドキュメンタリー番組を観ました。それは、昨年(2007年)の春頃に、大阪湾に近い某スタジオで30日間に渡って開催された、トライアウト公演の出演者を選抜するための「ワークショップ」(オーディション)の模様をレポートしたものでした。トライアウト公演への出演者が選ばれる可能性があるため、参加した男女数十名の人たちは、高いモチベーションで、そのワークショップに臨んでいるように見えました。

「昨日今日にダンスを始めた新人たち」というよりも、ある程度は舞台の経験があるパフォーマーたちが、多数参加しているようでした。そして、一般的には無名に近い人たちが大多数でした。そのアグレッシヴにダンスしている人たちの中で、ひとりだけ私が知っている人が居ました。
鳥居かほりさんです。
(余談註:いま思わず「鳥居みゆき」と入力してしまいそうでした。滝汗)

これまで私がテレビ等を通じて知っていた鳥居かほりさんのイメージは、しとやかで大人しいお嬢様タイプの女優さん・・・といったキャラクターで、ミュージカルやダンスをやっているとは全然知りませんでしたし、ピンときませんでした。でも、プロフィールをチェックしてみると、4歳の頃からバレエをはじめ、22歳よりジャズダンスを学び、これまでも数多くのミュージカルやダンスの公演に出演。実績を積んできている人なのでした。

鳥居さんが本当にやりたい事は、ミュージカルでありダンスなのですね。なるほど、レオタード等のダンスウエアに身を包んだ彼女の肢体は、均整が取れていてスラリと伸び、まさにダンサーそのものに見えました。カッコ良い。

鳥居かほりさんは、みごとにトライアウトのメンバー数名のうちの1人に選ばれました。彼女は1965年3月生まれで、ワークショップが開催された2007年春の時点においては、42歳。20〜30代前半が大半を占める参加者の中で最高齢です。体力的に相当キツイと思うのですが、そういったハンデをものともしないガッツと、年下の若い参加者達を気遣い、励まし、みんなをまとめあげていった、温かいハート(精神性)が高く評価されて、選ばれたようです。

(鳥居かほりさん)
「25歳前後という、娘や息子みたいな年のキャストの中に入って、老体にムチ打ってやっている(笑)」
「40代になってのチャンスに、なぜこの時期にとも思ったが、遠回りだと思われた女優の演技の勉強も含め、40代には40代にしか出来ない動きや表現があるから、きっとこの時期なんだと思う。踊りには性格や生活がすべて出るから、きちんと生きなきゃと思う」


http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080429-00000000-hsk_kb-l27
ブロードウェーの舞台に−キャスト最高年齢の鳥居かおりさん語る
2008年4月29日12時57分配信 京橋経済新聞


 
ある程度は知名度・実績があるタレントが若い世代に混ざって同じ事をする。
新しいチャレンジかもしれませんが、そんな簡単な事ではないと思います。

お金のため、名声のため、打算ではなく、自分の表現を極めるために、何歳になっても夢や理想を追いかける姿は、美しいと思います。
そして、表現者・アーティストの歩みには終わりがないのだと、
鳥居かほりさんを観て感じました。

2008年04月26日

横山ホットブラザーズと正司敏江・玲児

突然ですが、お店が閉店する事となって、これからどうしていこうか思案中の
大阪・道頓堀のくいだおれ人形(くいだおれ太郎)が、
来月早々に、現在大阪で公演中のブロードウエイミュージカル「TRIP OF LOVE」
を観劇するのだそうです(爆)。

阪神タイガース入団とか、吉本入りか?とか、
色々と取り沙汰されていますが。笑 「宝塚入り」は無いですよね、やっぱり。
うん、お笑い系に向いてそうな気がします。わーい(嬉しい顔)

詳しくはこちらまで。


お笑いといえば、先日「横山ホットブラザーズ」と「正司敏江・玲児」の舞台
を観ました。NHKの某園芸番組の収録を観覧しました。

去る3月に収録が行われたもので、「海原さおり・しおり」ほか、
何組かの漫才師さんたちが出演していたのですが、
なんと言っても印象的だったのが、
「横山ホットブラザーズ」と「正司敏江・玲児」の両組でした。

余談として。海原さおりさんは、「チッチキチー」のギャグが近年全国的にスマッシュヒットになった、漫才コンビ「大木こだま・ひびき」の、大木こだまさんの奥様です

収録が行われたのは、大阪NHKの放送局内にあるスタジオでした。私は、初めての大阪NHK行きでした。数年前に新築されたまだ真新しい建物は、キレイで大きかったです。1Fを吹き抜けにして開放感を演出しているあたりは、関西テレビと似た雰囲気がありました。

観覧者は、ハガキ応募による抽選で選ばれました。当選した人は、収録開始時間の数十分前から並んで待ちます。今回の出演者は、大御所・ベテラン芸人さんたちばかりだったこともあってか、並んでいる方たちは、私が見渡したところ60歳以上の方が80%以上を占めていました。

収録スタジオに入り、まずは、番組のディレクターさんから収録にあたっての説明を聞きます。ギャグを交えながらのその説明で、観覧者の緊張をほぐしていきます。お客さんを「温める」、いわゆる「前説」というやつですね。


横山ホットブラザーズは、その名前の通り、横山さんちのグループです。実の兄弟です(実際は7人兄弟なのだそうです)。結成は1954年で、当時はお父さん(故人)がリーダーでした。何度かメンバーチェンジをしていますが、とにかく結成54周年を迎える大御所です。

このグループの特徴は、アコーディオンやギターといった楽器を使った
「歌と演奏をメインとした」漫才であるところです。

3名の平均年齢は、70歳にもなろうとしていますが、
結構最近の新しい曲もネタにして演奏します。
私が見たときも、若々しくエネルギッシュでした。
若干、ギターのチューニングが悪かった気がしましたが、ご愛嬌。

ところで「横山ホットブラザーズ」の名物のひとつに、ノコギリを楽器にして演奏する芸があります。これは「ミュージックソー」と言って、モノを切る用途ではなく、あらかじめ楽器として作られたノコギリなのだそうです。で、このノコギリ楽器を、ポンポン叩きながらメロディを奏でます。音程は、ノコギリを微妙に曲げて調節します。

ちょっと間の抜けたような、なんとも言えないレトロな温かみのある音です。
「お・ま・え・は・あ・ほ・か」というコトバに合わせた演奏が有名です。
私も子供の頃から好きだったので、楽しみにしていました。
でも今回は、ノコギリ芸は披露されませんでした。ちょっぴり残念。

正司敏江・玲児は、夫婦漫才コンビです。
でも、随分と昔に離婚していますので、厳密には違います。
敏江さんは、金髪風のショートカットに着物姿がトレードマーク。
「どつき漫才」の先駆けとして、関西芸能シーンでは有名です。

具体的には、頭をはたいたり、蹴ったり、引きずりまわしたりと、とってもワイルドで破天荒なパフォーマンスを展開します。派手で滑稽な夫婦喧嘩を見ているような感じです。いわゆる喋くりの話芸を楽しむと言うよりも、むしろこうしたアクションが楽しみの漫才コンビです。

敏江・玲児さんも芸暦は長く、年齢は60を軽く超えています。普通、大ベテランになると、落ち着いた雰囲気や風格が出てくるものですが、そんな事はお構い無しで、今でも舞台上で「どつき漫才」をガンガン行います。それが素晴らしい。見ているこちらが心配になるくらいの超ハイテンションなのです。


「横山ホットブラザーズ」と「正司敏江・玲児」は、私にとっては、子供の頃からテレビの演芸番組で観てきた親しみがある芸人さんたち。その、関西お笑い界、いや、日本のお笑いの至宝とも言える「芸」が、生で観れて嬉しかったです。
まさに「お笑い界の生きる伝説(LEGEND)」だと感嘆しつつ、至福のひとときを過ごしたのでした。